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医療行為には、患者さんの体に有害となる可能性のある“おせっかい“がつきものです。採血だけでも針を刺す痛みに耐えなければなりません。レントゲン撮影ではX線が体を通過します。お薬をのむにしても副作用のことを考えると100%安全とは言い切れません。こういった“体に有害となる可能性のあるおせっかいとその程度”を医学用語で“侵襲”と言います。
医療行為のなかでも手術は最も大きな侵襲を伴う治療のひとつです。いくら悪いところを取り除くとは言え、体の表面に大きな傷がつくだけでなく、外からは見えませんが、生きていくために必要な内臓が一部なくなるのですから大変な事態です。手術を行う外科医にとり、このことは従来より大きな悩みの種でした。患者さんのために良かれと思いながら手術を行った結果、患者さんやご家族に大きな負担と迷惑をかけることになった経験は外科医ならだれでも心当たりはあるものです。
さて、近年画期的な手術法が開発され、手術が今までよりもずっと侵襲を小さくすなわち低侵襲に行われるようになったのをご存知でしょうか?そう、内視鏡外科手術です。この手術法の登場はまさしく革命といえるものでした。たとえば、胆のうをとるためには体の表面に20cmほどの傷がつきものでした。また、術後の腸閉塞などに悩まされる患者さんも大勢いらっしゃいました。
いまでは内視鏡外科手術が普及した結果、胆のう摘出では、早ければ2〜3日の入院で治療がすみ、しかも傷もごく小さく術後の障害もほとんどなくなりました。胃がん、大腸がんや肺がんさらに脾臓の病気や腹部ヘルニアなどにも内視鏡外科手術が普及しつつあります。現在では、低侵襲治療イコール内視鏡外科手術といわれるまでになりました。
この内視鏡外科手術の発展を支えたのが、工学技術の進歩と医療への応用でした。工学技術の進歩により内視鏡の画像も格段に鮮明化しましたし、内視鏡外科手術に必要な繊細な鉗子も数多く開発されました。さらに医療用ロボットの応用により人間の手を超える手術操作が可能となってきました。
このように医学と工学を融合させた先端医療機器の開発が、なによりも次世代の患者さんのために必要なことなのです。
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